営業利益率

売上の何割が利益として残るか(稼ぐ力の物差し)

定義

売上に対する営業利益の割合(本業の稼ぐ力)。

投資での見方:高く安定なら本業が強い。趨勢の向きを重視。

この指標はどう活用できる?

利益率は、売上高のうち何割が利益として手元に残るかを示す。売上から売上原価を引いた粗利、そこから販管費を引いた営業利益、税金や特別損益まで反映した純利益と、段階ごとに率がある。

バリュー投資で利益率を重視するのは、それが「稼ぐ力」と事業構造を映すからだ。粗利率が高ければ価格決定力や差別化の強さ、営業利益率が高ければコスト構造の効率、純利益率の安定は本業以外の振れの小ささを示唆する。段階の落ち方を見れば、どこで利益が削られているかがわかる。

重要なのは水準そのものより、推移と安定性、そして同業との比較だ。高い利益率が続くなら、模倣されにくい何か(堀)がある可能性がある。逆に急な低下は、競争激化やコスト増という構造変化のサインかもしれない。

図で見る

まず概念の"型"(例示)、次に実データでの現れ方。図の寸法は入力数値に忠実。
概念図(例) 売上高の何割が、各段階の利益として残るか 売上高 1.0億円粗利 60百万円粗利率 60%営業利益 25百万円営業利益率 25%純利益 18百万円純利益率 18% 率が高い・安定しているほど「稼ぐ力」の目安(ただし適正水準は業種で大きく異なり、高低だけでは優劣を測れない)
実データ(トヨクモ株式会社) 売上高の何割が、各段階の利益として残るか 売上高 48.6億円粗利 46.5億円粗利率 96%営業利益 16.1億円営業利益率 33%純利益 10.8億円純利益率 22% 率が高い・安定しているほど「稼ぐ力」の目安(ただし適正水準は業種で大きく異なり、高低だけでは優劣を測れない)

実際の会社のケーススタディ

いまJINGIがカバーする銘柄の中で、この概念が顕著に現れている一社が トヨクモ株式会社(4058)。売上高48.6億円に対し営業利益16.1億円(営業利益率33%)、純利益10.8億円(純利益率22%)で算出される。

ほかに営業利益率が高い例:ビジョナル株式会社(営業利益率27%)、ニフティライフスタイル株式会社(営業利益率23%)。

選抜は営業利益率が高い順=この概念が最も見えやすい銘柄で、銘柄の優劣や投資判断を示すものではない。カバー銘柄や決算の更新に応じて自動で入れ替わる。数値は概念の例示である。

数字を見るときの注意点

適正水準は業種でまるで違う。薄利多売の小売と、ソフトウェアの高粗利を同じ物差しで比べても意味がない。必ず同業と比べる。

高い利益率が「強さ」ゆえか「一時的な追い風」ゆえかを区別する。特需や会計上の一過性要因で膨らんだ利益率は続かない。数年の推移でならして見る。

純利益率は特別損益や税率で振れやすい。本業の実力を見るなら営業利益率を軸に、純利益率との差の理由(一過性か構造か)を確かめる。利益率は「稼ぐ力の物差し」であって、判断の信号ではない。

関連情報

売上高営業利益純利益粗利率純利益率トヨクモ株式会社の企業解析 →
情報提供であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。実在銘柄は概念の現れ方の例示であり、価値判断ではありません。数値は有価証券報告書(EDINET)の一次データに接地。